鎌倉の夏

(2005/8/4 神奈川県鎌倉市)



 6月に行くことはあきらめた鎌倉。
 8月はおそらく1年で最も花の少ない時季であろう、けれども数は少なくても花はあるはず。風情ある中で咲く夏の花を見るために、急遽1日休暇をとって行くことにしました。

 北鎌倉駅で下車、鎌倉駅から帰るルートで、途中は徒歩で移動するプラン。

 旅の友は「カメラ」関係(20D+90mmマクロ+C-730)のほか、暑かったので「帽子」と「日傘」と「ハンドタオル2枚」と「1リットルのお茶(笑)」。

 お寺についても鎌倉についても野草についても詳しくなく、情報はガイドブック等から拾ってます。あくまで主観に基づいた旅の記録ですので御了承ください。
百日紅 ◇東慶寺◇

 弘安8年(1285)に尼寺として始まり、明治4年(1871)に禁止されるまで「縁切り寺」として有名なお寺。明治36年(1903)以降は男性の僧侶が住職を務めていらっしゃいます。
 ガイドブックなどによく出ている、細い石段を上がる山門はこの時は修復中。横道のところから中へ。

百日紅
 街中でもあちこちで咲いていて、時季も長い花ですね。
桔梗 みずひき
桔梗
 “秋の七草”ですが、実際は盛夏から咲いている、時季の長い花ですね。

水引
 もっと花が開くと、紅白でもっと水引っぽいツートンになるはずだけど…。もう、あちらこちらで発生してますね、これは。
かわらなでしこ 河原撫子
 これまた“秋の七草”ですが、すでに咲いております。
浄智寺山門 ◇浄智寺◇

 東慶寺からさほど離れておらず、道路からの入り口は赤いポストが目印。

 弘安4年(1281)頃創建された、鎌倉五山第四位のお寺。
 2年位前に修復されたばかりの山門ですね〜。
 雨の日だったら、石段はもっと風情があったかも。
はぎ はぎ
  ですけども、すでにいくつか咲いていました。満開はこれからですね。
浄智寺 桔梗ほか
 田舎家、といった趣ですね〜。
 反対側から部屋越しに眺める庭も風情があって、こんなところで浴衣着て風鈴下げて夕涼みなんてしてみたい♪
鬼百合 槿
小鬼百合
 もう終わりかけでしたが、まだはりがありました。鬼百合と違うのは、「むかご」がついているかいないかだということらしいのですが、たしかこれにはついていなかったと思います。

槿
 境内にちょこっと。ほんとにちょこっと。
夏すみれ 洋種山牛蒡
夏菫
 「トレニア」という名前があるけど、こちらのほうがお寺には合う気がする。庭の一角にちょこっと。…ふつう もっと群生してるような(^^;;

洋種山牛蒡
 わっさり実ってました(笑)。毒性があって、実をつぶすと汁で紫色に染まるらしいので、うっかり触らなくて正解かも(^^;
夏水仙 夏水仙
 日陰にひっそり。ほんとーに、ひっそり。
クレオメこと西洋風蝶草 西洋風蝶草

 クレオメという名前がついているんですけど、別名の西洋風蝶草のほうがしっくりきますね(^^;;
 すぐ近くに「紫芋うどん」のお店があったので、朝食替わり&休憩のため入る。単品でも明日葉の天ぷらがついてくるので、ちょっと小腹がすいている程度の時にはちょうどいいかも。

 さらに少し歩いたところにある「ビーフシチュー」のお店で本格的な昼食に。
 お肉たっぷり、にんじんごろごろ。バターライスかパンが選べて、この写真で写っているほかに、サラダがつくセットでした(先に出されたからシチュー出てきた頃には食べ終わっちゃっていたのでした)。
 ちなみにこのお店には、地ビールは置いてありません。普通のビールはありますが。ちょっと残念。
 うどんよりはシチューと一緒がよかったんだけどなぁ(^^;;
亀ヶ谷切通し ◇亀ヶ谷切通し◇

 「茶屋かど」の横の道が亀ヶ谷切通し。舗装された生活道路で、ところどころに見える階段は上のほうで民家につながっている。

 蝉の鳴き声が響く中、高らかに聞こえてきたのは「ホー、ホケキョ!」

 鶯か? 鶯って「春告鳥」と言われるけれど、今頃鳴くこともあるんだ〜。早春と盛夏、鳥と虫との共演といったところでしょうか。

 切通しは途中から住宅街になり、扇ガ谷とのT字路に差し掛かったところの角にあるのが、源頼朝の娘、大姫の守り本尊をまつったといわれている岩船地蔵堂(平成13年に建て直されたばかりとのことで、やけに真新しく金色がまぶしい)。ここを右に曲がって、ガード下をくぐり、右手に道なりに歩いていくと、海蔵寺(地蔵堂を管理しているのもこちら)があります。
ジャングルではないです ◇海蔵寺◇

 建長5年(1253)創建のお寺。


 詣でる者の行く手を阻む(笑)ジャングルといいますか。
 満開になったらもっとすごいんだろうな〜。

 とりあえず、分け入って石段を登りました(笑)。
百日紅と本堂  東慶寺でも咲いていた百日紅ですが、お寺を背景にすると画面がしまりますね。

 入っていく時は一瞬たじろぎますが(笑)、境内は手入れが行き届いていてきれいです♪
凌霄花 凌霄花
 これもこの時期風情ある中で観たかった花のひとつ。うちの近所でも咲いているけど、コンクリ壁だとあまり風情を感じないもので(^^;

 見頃は過ぎているので、花の数が少ない気がしましたが、まだまだ立派でした。
桔梗 桔梗
この一つだけ咲いていました 桔梗
 もうちょっと日差しが柔らかい時にも撮りたかったな〜。

紫陽花
 もう時季はとっくに過ぎていると思っていたのに、ここだけ咲いていたんですよ! しかも一つだけ。
蓮
 お昼過ぎでしたが、まだ咲いていましたね〜。
 これはたぶん、明日には散ってしまうかも(^^;;

 この後は徒歩で5分くらい歩いたところにある(民家の間を通っていく^^;)「十六ノ井」へ。これを見る場合は拝観料100円を納めます(桔梗と一緒に写っている赤い傘の下にお金を置くところがあるのです)。岩窟の中に直径50cmくらいのあまり深くなさそうな穴が4×4で16個並んでいて、その奥に弘法大師像が安置してあります。
 暗いので、見学用に手前に懐中電灯が置いてあるんですよ(笑)。親切ですねぇ。
◇英勝寺◇

 寛永13年(1636)創建。鎌倉に現在残る唯一の尼寺だそうです。
 この日回ったどのお寺より拝観料が高かった(300円)にも関わらず、最も花が咲いておらず手入れもされていないと思いました(爆)。
 料金は別にいいんですけど、あまりお寺っぽくない花模様のついた門扉など見たら、ちょっと期待しちゃうじゃないですか(^^;; 滞在時間、10分くらいだったかも(爆)。
 「花の寺」と言われてますが、時季ではなかったからでしょうね。咲いていたのは鬼百合(むかごがいっぱい)と萩が1〜2くらいで、蓮の鉢がいくつもありましたけど、終盤で果托だけになったものや蕾のままで葉が枯れかけているものなど、ちょっと散々というか(^^;;

 海蔵寺に行った後、ここに来る前に浄明光寺にも足を延ばしましたが、8月中は拝観中止ということでした(境内で意図した写真は撮れたので、いいんですけどね)。9月になったら、ここは萩が見事に咲いていることでしょう。

 6月の紫陽花までの時季と違い、真夏の鎌倉は閑散としているようです。お店もお盆とは関係なく夏休みにするところがあるようです。
 お寺巡りそのものや建物が主目的なら花はあまり関係ないのかもしれないですけどね。

 さて、ここから少し歩くと、「ごま豆腐」のお店があります。
 ごま豆腐ですよ。「ごま入りの豆腐」じゃなくて、「ごま豆腐」。以前、生協で「ごま豆腐」の文字を見て買ったら、届いた物が「黒ごまが散りばめられ黒いブツブツ模様のある普通の豆腐」だったという、期待を裏切られた出来事があるので、まさか「ごま豆腐」わからない方がいるとは思いませんが念のため。
 なめらかな舌触りにうっとり。最初は普通に食べ、お店の人に言われるまま醤油をかけても甘味が後からきて、おいしかった♪
八幡宮の大銀杏 ◇鶴岡八幡宮◇

 英勝寺方面に戻りつつ、踏切を渡る。
 趣ある板塀の続く細い道は、意外なほど交通量が多いので立ち止まるのは厳しく、撮影どころでなかったのが残念。そのまままっすぐ行くと、こまち通りに出るので、左に行く。さらに右に曲がると、そこが八幡宮。

 本宮は一部シートがかけられ修復中でしたが、今まで歩いてきた中で、ほとんど見かけなかった人の群れが! さすが八幡宮です。

 蓮池には花を閉じた蓮がたくさん。午前中でないと見られないから、残念ですね〜(^^;
鎌倉ビール  お参りをして、帰りもこまち通りから。体力消耗していたので、アルコールはちょっと自粛して(笑)、かわりにソフトクリームを♪(でも一番の目的は「座ること」!)
 地ビールは酒屋さんがあったので、そこで1本買っておみやげとしました。  そのまま鎌倉駅へ行き、すぐきた電車で帰途に。

 3日分くらいの汗をいっぺんにかいた気がします(爆)。帽子だと風通しが悪いので、移動中は日傘が大活躍でした。写真撮ってる時、最初は帽子をかぶりましたけど、だんだん面倒になってきて、あとはかぶらずやってましたね。休憩のたびに日焼け止めを塗りなおしてました(笑)。

 一番最初に「旅の友」を書きましたが、この中に「着替え」も必要だったと実感。Tシャツ1枚、入れておくべきでしたね〜。買ってもいいけど、洗ってから着たいし(^^;; この点は、うっかりしてました。

 帰りの電車ではほとんど寝てましたが(座れたら寝ますよ、ええ)、疲れたし日焼けも心配だったけれど、電車の乗り継ぎや料金プラン、移動時間などなど、鎌倉は意外に近いということを実感。これならもっと気軽に来られるなぁ♪
 というわけで、季節を替えて何度でも行きたい、約10年ぶりの鎌倉でした。


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