彼岸花−曼珠沙華を訪ねて


文責:エマ (2004/9/26)



彼岸花


 秋の彼岸の時期が見頃の「彼岸花」。

 その花言葉は「過ぎ去った日々」「悲しき思い出」「想うはあなた一人」と、どれも哀愁漂うものばかり。

 また、1本の茎から生えるのに花が咲いた後になって葉が出てきて、同時に生えないことから、韓国では「サンチェ(相思華)」と呼ばれているとか。「花は葉を想い、葉は花を想う」というんですね。ロマンチックー♪

 別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」と呼ばれているのは法華経に由来していて、梵語で「天上の花」「赤い花」の意味があるそう。ただし彼岸花と違って、それはおめでたいことが起こる兆しなのです。

 球根には毒があるのですが、水溶性なので、戦争中などはこれで澱粉を採ったり、民間療法に使われたりもしたようです。

 埼玉県日高市の「巾着田」は、そんな不思議な花:彼岸花の日本一を誇る群生地。電車で日帰りできる場所にあるので、行ってみました。

 公式サイトもあり、毎年その時期にはたくさんの人が訪れるそう。昨年も行ったという人に聞くと、なるべく朝早く行かないと、「花を見に行ったんだか人を見に行ったんだかわからなくなる」というので、ビビりつつも覚悟を決める(^^;朝早いのは苦手)。

 今年は暑い夏だったので例年より開花が早いらしく、お彼岸の頃には見頃ギリギリとか? となると18、19日あたりが最後のチャンスかも。
 日記にも書いてますが、行こうと思っていた18日、目が覚めたらすでにお天道様は高いところ(爆)。もうすぐお昼じゃないか〜! 今からでも準備して出かけられなくはないけれど、暑そうだし、午後の太陽で写真ってどうなのかなぁ、人も多いんだろうなぁ。
 …結局その日はすっぱりあきらめ、翌日に行くことに。

 翌日。無事に早起きできたので(笑)、いそいそと出かける。
 最寄り駅の路線に乗り換えると、車内には“ハイキング”とおぼしき格好の中高年がたくさん乗っている。その他リュックをしょったおばさま集団も。その手には「巾着田」か「秩父登山」のパンフレット。
 むむ、この時点で行き先が同じ人がかなりいるようだわね…。案の定降りる駅もほとんどみんな一緒だし(笑)。
 改札の外に出ると、駅前では出店がずらり。地元周辺の名産品から出店の定番:焼きそばまで多数そろっている。真ん中にはテントが張ってあり、テーブルとイス。とりあえず飲み物だけ買って、地図らしきものをいくつかもらって目指す方向へ!

 …目指す方向、みんな同じなのよね(^^;; これなら地図なくても迷う心配は全くないけど(笑)。10〜15分ほど歩く途中にも急ごしらえの売店がいくつかあって、栗やさつまいも、花の球根などが目に入る。とりあえず先に進むと高麗川が。それを越えてしばらく河原を歩く。浅い川には水遊びをする子どもたち。まもなく、目指す群生地に到着。

 高麗川にぐるりと囲まれた休耕田に群生する彼岸花は、同じ時期に満開を迎えないように手入れされているのか、こちらから見て手前が早咲きで奥に行くほど遅咲きらしい。というわけで、すぐ目に入る花々は一部色が褪せている。木々の影が褪せた色をいっそう暗くしている。

 細い散策路をこちらからもあちらからも人の行き来がひっきりなし。あちらから来るのは、車で来た人たち。駐車場にはすでに車が何台もあり、向こうの道にも車の列。これからますます人が増えそう!

 影になる木々の下を避け、河原寄りのほうに出てみる。若干盛りを過ぎた彼岸花も、太陽の光が当たるとまだまだきれい。眺めつつ(カメラの邪魔にならないように^^;;)奥へ歩みを進める。

 花がだんだん色濃く、勢いを増すのがわかる。ちょうど太陽の光もうまく回っていて、いい感じ。私だけでなく、来る人来る人みんな一眼レフからコンパクトデジカメ、携帯までカメラをかざしている(笑)。
 写真だけでなく、スケッチをしている人もちらほら。

彼岸花


 私は標準ズームしか持ってこなかったけど、望遠をつけてる人が結構いて。散策路にはロープが張られていて花の中には入れないので、ちょっと遠くのほうに咲いてるのをアップで撮りたい時には重宝するでしょうね。重くても持ってくればよかったかな?(^^; ま、でもそんなにレンズ付け替えるのも面倒か。ボディ2台あれば付けっぱなしにできるけど、持ってないから(笑)。とりあえず3回壊れた相性の良くないデジカメも久々に仕事させるべく持ってきてあるので、それでも何枚か撮る。

早咲きに近い場所だったかな?

 緊張しない場面だと、そこそこの仕事をするようです↑、このデジカメは(笑)。
 でも一眼レフ持った直後にコンパクトカメラ持つと、ピントが合ってるのかどうか自分でわかりにくいですね。液晶で見ててもファインダー覗いてもその感覚は変わらず。

 当日の天気は「晴れ時々くもり」。午後になるとくもりから雨になるかもしれないと聞いていたので、なんとしても午前中には来なければと思っていたけど、思ったよりも暑いです! 湿度がかなりある模様。とにかく汗が止まらない(^^; ファインダーを覗いていると暑くてたまらない! 日差しはそれほど強くもないのに。

秋の空?

 それから、当日の空はこんな感じ。
 太陽が出て光がいい感じに回ってると思っても、またすぐ翳ってしまう。光を待ってるカメラマンさんたち、結構いましたね。私もあきらめ早いほうだけど、そこそこ待ちましたっけ(笑)。

 1時間半ばかりいたのかな? 人は増える一方ですれ違うのも一苦労。満開の彼岸花を満喫したので、早々と駅へ戻る方向へ。

白い彼岸花

 白い彼岸花はその途中で数本見ました。当然のように周辺にはカメラの放列が(笑)。
どこかの作業場の庭先(笑)のコスモス  巾着田では彼岸花が終わると今度はコスモスが見頃になるそうですが、途中の道々にもすでに咲いていました。

 帰り道は来るとき以上の人波で、こちらも気合を入れて歩かないと押し戻されてしまいそう(^^;;

 少し広い道路に出ると、秩父産黒大豆を使ったという豆乳が売られていたので、ここで大豆イソフラボンを摂取(笑)。
 駅前に戻ると朝以上の混雑ぶり。とてもゆっくりできる状況ではない。帰りの切符代わりに彼岸花のプリペイドカードを買って改札へ。
 途中までしか行かない電車だったのでそこで降りると、折り返しになるその電車に乗ろうという人たちを、駅員さんたちが行列にしていました。…やはり少しでも朝早く来るほうがいいみたいですね(^^;;

 今回は長居しなかったけど、最初からゆっくりするつもりで来るのもいいかも。河原が近いし、お弁当でも持って犬や子どもを連れてのんびり、という家族向きの場所かもしれません。

毒気

最後にもう1枚…ほぼ真上からのものですが、毒々しくてあまりじっくり観るには向いてないかも(^^;

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