〜“ブルー”を求める旅〜

(2005/6/18,19 茨城県水戸市 & 埼玉県菖蒲町)


◆旅の計画◆

 6月中旬から7月中旬にかけては、日本は梅雨の時期。
 昨年、仕事が一段落した6月末に1日休暇をとって0泊2日で神戸に旅したけれど、いいリフレッシュになったものだった。今年も是非そうしたいと思っていたものの、仕事量が増えていて予想以上に身動きがとれず、気が付けばとても休暇は無理な様相を呈してきた。仕方がない、法定休日にフツーに出かけるか。
 で、どこに行こうかというのは毎度悩むところでして。

  • 一応泊まりがけのつもりだけれど、ローカル線で気軽に行きたい。
  • マクロレンズをもっと使いたい。
  • マクロレンズといえば、花だな。
  • でも今の時期は雨が降る可能性が大きい。
  • 雨が降っても様になる花は?
 …アジサイだ。

 よし、アジサイを撮りに行こう。実は職場の近くにいい撮影スポットがあるんだけれど、仕事を忘れてリフレッシュしたい今となってはそこは却下だ(笑)。

 さて、私がローカル線で気軽に行ける範囲となる関東地方、アジサイの名所は選択肢がたくさんある。
 約10年ぶり、しかも泊りがけでは行ったことがなかったので鎌倉が第一候補で、翌日に新横浜でDreams on Iceを観るプランを立ててはみたものの、当時の天候から、どうやらそれでは見頃を過ぎそうだと予想されたので、せっかくなので行ったことがない土地に行ってみるのもいいかもと、急遽予定を変更。一週繰り上げた週末に、水戸に行くことにしたのでした。
 水戸にある「保和苑」一帯がアジサイの名所になっているそうで、しかも水戸といえば納豆。健康的な食事ができる期待もあるぞ。

 アジサイが見頃でなかった時のことも考えてさらに調べたところ、茨城だと潮来でちょうど菖蒲が見頃とな! むむ、これは抱き合わせ作戦だわ♪

 …と思ったんだけど、同じ茨城県内でも水戸と潮来はすごく離れていて、電車で2時間弱、1,580円する距離。電車の本数も少なく、直通バスなどの交通手段もないので、どうも抱き合わせにはしづらい印象。
 そこで菖蒲で他に調べると…ありました、埼玉に。ずばり“菖蒲町”! しかも菖蒲だけでなくラベンダーも咲いているそうで、こちらもお祭りキャンペーン中らしい。ヲヲ、ここなら抱き合わせがひとつ増える!! ラベンダーなんて、10年以上前に富良野で見たっきりかも。
 しかも交通を調べたら、潮来を抱き合わせにするよりも若干安く行ける!

 というわけで、抱き合わせプラン(笑)による茨城〜埼玉と、当初の計画とはまるで方向の違う旅が決行されたのでした。

◆第1日目◆

 朝、水戸入り。県庁所在地故か駅周辺には手頃なビジネスホテルがたくさんある。
 その中のひとつに予約をしていたので荷物を預け、駅へ戻る道で「弘道館」を見学して、駅からのバスで保和苑に行って戻ってくる計画だった。
 ところが、弘道館に入る前に神社があったので、旅の無事を祈願して、と思ったところで雨が降り出してきた! 朝から微妙な曇り具合だったからどうかなと思っていたけど、もたなかったかー。
弘道館  晴雨兼用傘を持っていたので当面それで間に合うとして、雨粒が大きくなってきたので、雨宿りがてら弘道館へ。
 水戸藩第9代藩主 徳川斉昭によって、天保12年(1841年)8月に創設された藩校。藩士に文武両道の修練をつませようと武芸一般はもとより、医学・薬学・天文学・蘭学など幅広い学問をとり入れた、いわば総合大学というべき施設。当時の藩校としては国内最大規模のものだったそう。所蔵書籍の展示も興味深いけれど、もっと興味深いのが建物そのものでして。
 脳内イメージに合う写真が撮れそうなので、雨が降っていなければ外から写真に収めたかったけれど、晴雨兼用傘の強度が心配になってくるくらい本降りになってくると、ちょっと厳しい。木を入れて無理矢理撮ってみたものの、片手で構えるのは昨年の宇和、大洲〜高松の旅以来か?(爆) 難しいです。

 カメラが濡れるのもイヤだし、雨でも撮るほどすごい装備は持ってないし、いつ止むかわからないのにずっとそこにいるのも時間がもったいないし。

納豆チャーハンと納豆味噌汁 納豆唐揚げ

 ということで、早めにお昼にすべく、駅近くの食事処で納豆チャーハンに納豆味噌汁、納豆の唐揚げという、納豆尽くしのお昼(にしては濃いな)にする。これだけ濃い上湿度が高いと「ビールでも」と思うのだけど、これから移動が控えているし、メインイベントも終わってないので(爆)、ここはガマン(笑)。

 1時間もいなかったと思うけど、ゆっくりめに外に出ると、どうやら雨が止んだ様子。駅前からバスに乗り、保和苑へ。15分くらい乗って最寄のバス停で降りる頃には日が差してきた。
 無料で入れる苑内はちょうど大型観光バスからお年寄りご一行が降りてくるところ。苑内は観光キャンペーン中で、露店の準備も進められている最中。そこを通って奥へ行くと、池を中心にした苑内にアジサイは咲いていたのでした。
保和苑のアジサイ  左の写真の周辺は概ねブルー系が多かったけれど、池の周辺のは全体に淡く、赤系の色が加わっていたかな。見頃は翌週くらい? 今週が見頃かもと思って予定を繰り上げた私は一体…(爆)。

 でも、雨上がりで露に濡れたアジサイは風情を増していました。雨上がりの次は真夏の日差しで、さっきまで雨用に差していた傘を日傘として、干しがてら差そうと思ったほど(撮影しにくいのでしませんでしたが/笑)。あまり太陽の光が強いと花の撮影には向かないのは昨年の彼岸花で思ったことですが(だから昨年は結果オーライだった^^;;)、それにしても雨上がりで蒸し暑いです! ファインダーが曇ってしまうんですけど〜(^^;;

 周りの風景は現実の建物が入り込んでしまうと風情がなくなるので、マクロレンズはおおいに役に立つのだけれど、狙ってみてわかる(笑)、アジサイって、マクロよりは全体に咲き誇る様を風景とともに楽しむ花かもしれない。もちろんその風景は、風情があるべきで。

 そういうわけで、一緒に持ってきていた広角ズームの出番…なのだけど、これまた広角がありすぎて(笑)。結局、標準ズームでスナップ的に撮るほうが私には向いていたのかもしれないと認識するには十分でした(^^;;
 3回も壊れては直した、コンパクトと呼ぶには最近少々苦しい(爆)デジカメも持ってきていたのだけど、広角側は若干弱いのがちょうどよく、実際、思っていた以上に出番がありました。このページ内では、納豆とあじさいと、この後出かける場所のがO社デジカメ使用、弘道館と2日目がC社カメラです。
鳥小屋  右写真の上に見えるのは鳥小屋。中にはクジャクが羽根を広げておりました。子どもたちに大人気!
 アジサイの周囲はお年寄りばかりだったのに、ここだけはこんなにいたかというほど子どもだらけでした(笑)。
 小屋の中はシャッター使わないと厳しそうな暗さだったので、写真は撮らず。

 十分に苑内を回ったので再びバスに乗り、ホテルへ戻ってチェックイン。少し休憩した後、荷物を軽くして、ホテル近くのバス停から再びバスに乗り、今度は「茨城県立歴史館」へ。
旧水海道小学校本館  この写真、ビミョーに水平とれてない気がしますが(爆)。ここの園内に、「旧水海道小学校」という明治の小学校の建物が復元保存されているのです。レトロ好きとしてはチェックしなくては(笑)。
 幸い、歴史館に入らなければ園内は入場無料。小学校の外観を眺めた後、校内の見学もできるというので、靴を脱いで中へ。内部の写真撮影は禁止とのことで、ここではカメラはお休み(ちなみに身軽さ優先で、3回壊れたO社デジ)。

 階段の急な角度が、洋風とはいえ日本の昔の建物を感じさせる。2階に上がることはできないながらも、わずかに見える天井の明かりや窓から差し込む光の様子など、母方の実家の2階とちょっと似てるかも(^^;;
 1階の教室に展示されている、学校ができて以降の教科書の変遷は、やはり第2次大戦前後の変化が見どころでしょうか。寄贈された卒業(修了)証書やオルガンなども時代を感じさせる。
 別の部屋には、ここと同じような明治時代の学校施設の写真がずらり。その中に、昨年5月に愛媛県は宇和で見た開明学校、今年3月に岡山県高梁で見た旧高梁尋常高等小学校(現在は歴史資料館として利用されている)の建物の写真もあったのが、妙なつながりを感じさせました。
 …そんなところばかり選んで出かけているので当然といえば当然?(^^;;
 そこを離れた後は、同じ園内にある民間の旧宅の保存したものを2箇所と、古い水車を見物。そのうちの一つの軒先に、明らかに現代人の荷物と思しき鞄類が山積してあったのは何??(笑)
偕楽園の梅の木  園を離れて少し歩くと、梅で有名な「偕楽園」があります。

 花の季節はとっくに過ぎて今は実の時期ですが、水戸まで来たのに外せないと思い、散歩。ここも入場無料ですしね(笑)。
 ほとんどの枝はすでに実が落ちている状態(「梅の実落とし&販売」というのがあって、前の週だったんですね^^;;)でしたが、拾っている人の姿も見かけました。梅酒漬けなきゃ(笑)。

 満開の梅の時期はさぞかし…と思わせる枝ぶりですが、緑の時期もなかなかいいものです。夕方の園内は湿度も適度に下がり、森林浴気分(笑)。園内には見晴らしのよい高台もあり、その下には正岡子規が偕楽園に来た時に詠んだ句の句碑もあります。
偕楽園のあじさい  偕楽園にもアジサイが咲いていました。

 露出に失敗したのではなく(笑)、ここのは本当にこんな感じに白っぽかったんです。
たてもの  アジサイの奥に建っていたのは、好文亭。上記「弘道館」でも名前を挙げた水戸藩第9代藩主 徳川斉昭が設計したそう。ここは入場が有料だったかな? 閉園時間も迫っているので、あえて入ろうとは思わず、外観のみ拝見(^^;;

 閉園時間近くまで散歩した後、お隣の常磐神社にお参りして(お参りの仕方がちょっと変わってます!)最寄のバス停に行くと…駅への最終は行ったばかりだった(爆)。調べておかなかったのが悪いんだけどさー。というわけで、手元の地図をもとに駅前まで約1時間かけてたらたら歩く(^^;;

 それで気が付いたのだけど、水戸はラーメン店と古着店が目につきます。ただこの時はラーメン店の開店には少し早い時間で、どこで食べようか決めかねたまま歩いていたら駅前に着いてしまって。ガイドブックに載っていた郷土料理の店が駅前には見つからず、お昼に入った店くらいしか見つけられず。同じ店に入るのもなぁと思っていたけど、暑くなってきたのでビールも飲みたい(笑)。

 日本で初めてラーメンを食したのは水戸黄門と言われているそうで。黄門さまが食べたのと同じレシピを再現したラーメンが食べられるお店に行こうと思っていたけれど、駅の反対側で、歩いて15分かかる場所。疲れてきたのもあったので、適当な店に入って、水戸名物の軍鶏の手羽先とビールで簡単に夕食に。
 その後地元のケーキ店のプリンと、カップの梅酒(もちろん水戸産の梅ですとも! 意外に地元のスーパーでは紀州梅ばかりだった^^;;)を買ってホテルで今日の締め(笑)を行って、この日の行動は終了。

 →翌日へ続く。

◇ブルーの旅 - 埼玉編 -◇



◇Recreation MENU◇

◇HOME◇